日本橘会 宗範の山崎旭萃でございます。
この度、広く皆様とお話出来ます事を大変嬉しく存じます。
戦後琵琶が衰退いたしましたが、今日こんなに皆様に興味を持って頂き、会員数も五百名を超えて隆盛になってまいりましたのも、会員の皆様の日頃のご精進の賜と有難く思っております。私は今年100歳を迎えますが、こうして元気で暮らしておれますのも琵琶のお陰と思っております。生来、腺病疾の私は子供の頃に腹から声を出す事をするように言われ、八歳より琵琶を習い、先代家元である橘旭宗一世からご指導を受け、今日に至っております。
琵琶は語りと弾法が一体となって、人の心を打つ素晴らしい伝統芸術です。全国の会員が技芸と心を磨き、たゆまぬ精進を続けて下さいます事をお願い致します。そしてこのホームページをきっかけに、一人でも多くの方に琵琶の楽しさ、素晴らしさを知って頂き、更なるご支援を切にお願い申し上げます。
<山崎旭萃>
19歳で橘旭宗一世の直門下として師事し、昭和42年には筑前琵琶 橘流 日本橘会の最高位である「宗範」に推された。数々の賞を受賞し、昭和55年には勲五等瑞宝章を叙される。
平成7年、その半生をかけて追求した琵琶の抑制の効いた表現とその芸術性が認められ、琵琶奏者として初、そして琵琶界唯一の「人間国宝」に認定される。100歳を迎え、現役にて門弟の指導・育成にあたるも、平成18年6月5日に天寿をまっとうされた。
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