橘旭宗 一世は、筑前(現 福岡)博多で生まれました。実父である初代 橘旭翁の影響もあり、幼少より琵琶には慣れ親しんでいました。そして6歳の時、旭翁が筑前琵琶普及のための上京に同伴します。
旭翁のもとには多くの人が引っ切り無しに稽古に来ており、一日中琵琶と歌で明け暮れ、旭宗 一世曰く「家にいる私など耳にタコのできる程に聞かされるので、節でも手でも嫌でも覚えてしまう」そうでした。
そして時には門人から「坊ちゃん、遊びに来ませんか。ご馳走いたしますよ」と誘われるのでそのお宅へ行ってみると、ご馳走やお菓子などでもてなしてくれ、「坊ちゃん、あの手を弾いてみてくださいませんか・・・」とその門人が、覚えきれない弾法を教えることもしばしばありました。
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